こんな性癖はどうしたものでしょう。
彼のてのひらが額に触れつむじへと滑る、それだけでどうにもこうにも私の胸と喉の間は、詳しく説明すると食堂の中途が握り込まれたときのような、まあそんな経験はまるでないのですけれどともかくはそのような圧迫を感じるのであります、私は。
私は、暴力が欲しい。
身長に同じくして他のひとよりもいくらか大きな手をてのひらを頭に乗せられ、征服されたような、たった今からお前はお前のものではないと宣告されたような、ような、昂揚感。
征服されたい、そのまま圧倒的な握力のもとにこのまま握り潰されてみたい、皮膚頭皮薄っぺらい肉の下のトウガイコツがくしゃりと割れ、灰色のあれやこれや、赤色した何某やらが頭髪の隙間から漏れ出し粗相する。
そんな下品な夢想を、私は好んでするわけでございます。
しかしなんとも残念なことに本日も彼は私の頭を潰してはくださらず、ただただ優しく撫ぜるだけでありまして、私はどうにもこうにも自身の欲求が満たされない悔しさを胸に、拾われたての子猫のように怯えながらその暴力を伴わないてのひらをひたすらに甘受するのでありました。



てのひらはバイオレンスの象徴

write:20110617